人手不足で売上6.15%を失う ── 客の60%が来る3時間に、41店舗すべてが足りていなかった
「人が足りない」── ただし足りていないのは 1 日中ではありません。米国の小売チェーン 41 店舗の 1 時間ごとのデータを分析した研究では、1 日 10 時間の営業のうち 3 時間に不足が集中していました。
そして その 3 時間に、1 日の客の 60% 超が来ています。41 店舗すべてで、この 3 時間が足りていませんでした。
失っている売上は 6.15%と推定されました。最適な人員計画に従うと、利益は 5.74% 改善します。
いっぽう 閑散時間の人を減らす側は、利益の改善が 2.04% にとどまり、売上は 3.4% 減りました。減らすより、足りない 3 時間に寄せるほうが効きます。
前回は 「遠くを通らせると計画外の買物が+54% ── 客は売場の半分も歩いていない」 として、来てくれた客にどこを通ってもらうかを扱いました。本記事はその客が集中する時間に、人が足りているかという話です。
この記事は以下のような方に読んでいただきたい内容です。
- 人手が足りないと感じているが、どこから手をつけるか迷っている店舗経営者
- シフトを勘で組んでいる店長
- 人件費を削るよう言われている売り場責任者
- 混雑する時間に何が起きているかを数字で知りたい方
- レジの列を 1 本にまとめるか迷っている方
概要 ── 足りていないのは 1 日 3 時間
人手が足りないのは分かっているのですが、人件費も抑えろと言われていて…。どこから手をつければいいのか分かりません。
その 2 つは両立できます。足りていないのは 1 日 3 時間だけだからです。今日はその 3 時間の見つけ方と、閑散時間を削るほうが効かない理由をお話しします。
- 人手不足によって失われている売上: 6.15%(ピーク 3 時間に限ると 6.33%)
- 最適な人員計画に従ったときの利益: +5.74%
- 人員過剰を削ったときの利益: +2.04%/そのときの売上: -3.4%
- 不足が集中する時間: 1 日 10 時間のうち 3 時間/その 3 時間に来る客: 60% 超
この記事の数字について
中心となるのは 米国のアパレル小売チェーン 41 店舗の研究です。業態も国も違うため、自店の値を示すものではありません。 また 6.15% と 5.74% は理論上の上限にあたる推定値です。 いっぽうで著者らは、失った客が競合に移る長期的な影響を含めていないため、人手不足についての結果はむしろ保守的だとも書いています。 受け取るべきは 「不足は 1 日中ではなく、決まった時間に集中している」という構図のほうです。
客の 60% 超は 3 時間に来る
この研究は、1 時間ごとの来店客数・売上・人員を突き合わせています。まず見えたのが客の集まり方でした。
- 1 日の営業は 10 時間
- そのうち 3 時間に、1 日の来店客数の 60% 超が来る
- 研究ではこの 3 時間をピーク時間と呼んでいる
- 小売の現場では 「パワーアワー」と呼ぶこともある
ここが出発点です。10 時間ぶんの人員を均等に配ると、客の 60% が来る 3 時間には 30% ぶんしか人がいないことになる。均等に配ること自体が、実質的な人手不足を作っています。
41 店舗すべてが、その 3 時間に足りていなかった
研究は、待ち行列の理論にもとづくモデルで 店舗ごと・時間ごとの最適な人員を算出し、実際の人員と比べました。
- 41 店舗すべてで、3 時間のピーク時間帯に構造的な人手不足があった
- 1 店舗の例外もない
- 人手不足が起きているのは営業時間の 32.88%
- 不足しているとき、1 時間あたり 3.22 人足りない
- これは最適な人員に対して 31.55% の不足にあたる
いっぽう人員が多すぎる時間も、それ以上にありました。
- 人員過剰が起きているのは 営業時間の 52.85%(不足より頻度は多い)
- ただし過剰量は 1 時間あたり 1.02 人で、最適な人員の 24.23% 超
- つまり 過剰は「広く薄く」、不足は「狭く深く」起きている
足りない時間より、多すぎる時間のほうが長いのですか。それは意外です。
ここが実務の勘所です。総人時は足りているのに、置き場所が間違っている。だから「人を増やす」より先に「時間をずらす」で効くことがあります。薄く長く余っている分を、狭く深く足りない 3 時間へ寄せる。
失っている売上は 6.15%
では、その不足はどれだけの売上を削っているのか。研究の推定はこうです。
- 人手不足によって失われている売上は 6.15%
- ピークの 3 時間に限ると 6.33%
- 最適な人員計画に従うと、利益は 5.74% 改善
6.15% の読み方
これは 理論上の上限にあたる推定値です。人を増やせば必ず売上が 6.15% 増えるという意味ではありません。
いっぽうで著者らは、この結果はむしろ保守的だとも書いています。理由は、 十分な対応を受けられなかった客が競合に移り、その後の売上まで失われる分を計算に入れていないから。 つまり 上限であると同時に、長期を含めれば過小評価でもあるという位置づけです。
なお研究では、推定方法を変えた確認も行っています。時間単位で推定し直すとピーク時の失われた売上は 5.43%、 来店客数の予測値を使うと 4.09%、別チェーンのデータを使うと 4.32% でした。 いずれも 4% 台から 6% 台に収まっています。
人手が足りないと、棚も埋まりません。棚に出ていない在庫がどれだけ売上を削るかは 「欠品に当たった客の55%は買わずに帰る ── 31%が他店へ、原因の25%は品出しで直る」 にまとめています。
増やす側と減らす側で効き方が違う
この研究のいちばん実務的な部分が、両方向を比べていることです。
- 人手不足を解消する: 利益 +5.74%
- 人員過剰を削る: 利益 +2.04%、ただし 売上は -3.4%
- 週末のデータでは、削った場合が 売上 -3.1%・利益 +1.9%
- つまり 足りない時間に寄せるほうが、余っている時間を削るより効く
シフトの話はたいてい「閑散時間の無駄を削る」から入ります。でもこの研究では、削って得られる利益は 2.04% で、売上は 3.4% 落ちた。同じ人時を動かすなら、削るより寄せるほうが効きます。
減らす判断は慎重に
著者ら自身が、人員過剰の削減については長期の顧客満足のデータがないため、追加の分析が必要だと述べています。 短期の利益は増えても、削ったことで失った客の長期的な影響は分かっていないということです。 この記事も、閑散時間の人員削減を推奨するものではありません。
混むと転換率が下がる
ここからは別の研究です。混雑そのものが何をするかを見ていきます。
- 売上を 転換率(買った客 ÷ 来店した客)と 買物かご金額(売上 ÷ 取引数)に分けて分析
- 来店客数が増えると、転換率は下がる
- 店の売上は来店客数に対して収穫逓減する(客が増えるほど 1 人あたりの効きは落ちる)
- 人員が、来店客数と売上の関係を調整している
- 人員が 1 標準偏差増えると、来店客が 1 人増えるごとの売上が 10.00 ドル → 11.32 ドル(+13.2%)
混んでいる日は売れている、と思っていました。転換率が下がるというのは…。
売上の総額は増えます。ただし来た人数ほどには増えない。混雑は、待たせるだけでなく「買わずに帰る客の割合」を増やしています。そしてその目減りは、人員で戻せる部分があるということです。
転換率が下がると、その後の客数も鈍る
同じ研究には、もう 1 つ見落とせない結果があります。
- 転換率が低いと、その後の来店客数の伸びも下がる
- つまり 今日の混雑は、今日の売上だけを削るのではない
- 買わずに帰った客は、次に来る回数も減らす
ここが、1 本目の研究で「結果はむしろ保守的」と書かれていた理由とつながります。失うのはその日の売上だけではない。だからピークの 3 時間は、その日の売上以上の価値を持っています。
客は列の長さを見て、進む速さを見ていない
3 本目の研究は、スーパーの総菜売場で待ち行列を映像認識で計測し、POS データと突き合わせたものです。
- 待ち行列は購買の有無に非線形の影響を与える
- 客は列の長さをおもに見ており、列が進む速さを十分に考慮していない
- 含意: 複数の列を 1 本にまとめると、客が見る列が長くなり、売上が下がりうる
- 待ちへの感度は客によって違い、価格への感度と負の相関がある (=待ちに敏感な客ほど、価格には鈍感)
列を 1 本にまとめるのは、公平で待ち時間も均されるので良いことだと思っていました。
運用としては正しいのです。ただし客が判断材料にしているのは「実際の待ち時間」ではなく「見えた列の長さ」。まとめるなら、列が短く見える工夫か、進んでいることが分かる工夫をあわせてください。
待ち時間そのものの伝え方は 「待ち時間を見せると品質評価+22.2%・提供時間-19.2% ── 短くするより効く、長さ別の伝え方3段階」 にまとめています。短くできないときは、見せ方で戻せる部分があります。
最後の 1 点も実務に効きます。待ちに敏感な客ほど価格には鈍感ということは、混雑を値引きで埋め合わせようとしても、いちばん失いやすい客には届かないということです。
ピークの 3 時間を見つける 5 つの手順
- 売上ではなく 来店客数を 1 時間ごとに出す
- レジ通過数でよい。入口の人数が数えられるならそちらが正確
- 2 週間ぶん並べると 上位 3 時間がはっきり出てくる
- 上位 3 時間の客数 ÷ 1 日の客数
- 研究では 60% 超だった。自店の値を出す
- この割合より人員の割合が低ければ、そこが不足している
- 上位 3 時間の人時 ÷ 1 日の人時
- ② と ③ を並べるのがこの手順の要
- 例: 客の 60% が来る時間に人時の 35% しか置いていない、など
- 研究では 人員過剰が営業時間の 52.85%で起きていた
- 総人時を増やさずに、薄く余っている分を 3 時間へ移す
- まず寄せる。増員の判断はその後
- 効果は その 3 時間の転換率(買った客 ÷ 来店した客)で見る
- 売上だけを見ると、客数の増減と混ざって分からない
- 同じ時間帯の転換率が上がっていれば効いている
30 日の進め方 ── 数える・寄せる・確かめる
- ① 1 時間ごとの来店客数を記録する: 売上ではなく客数
- ② 上位 3 時間を特定する: 曜日でずれるなら平日と週末を分ける
- ③ その 3 時間に来る客の割合を出す: 自店の値
- ④ 同じ 3 時間の人時の割合を出す: ②と④の差が、そのまま不足の大きさ
- ⑤ 余っている時間帯を 2 つ選ぶ: 広く薄く余っているはず
- ⑥ そこから 3 時間へ人時を移す: 総人時は増やさない
- ⑦ 移す前の転換率を控える: 比べる基準になる
- ⑧ 移した人の担当を決める: レジか、品出しか、売場の応対か
- ⑨ 3 時間の転換率を毎日見る: 売上ではなく転換率
- ⑩ 列の見え方を確認する: 客から列が長く見えていないか
- ⑪ 上がらなければ担当を変える: 人数ではなく配置を疑う
- ⑫ 上がってから増員を検討する: 寄せて足りないと分かってから
⑨ が続けるための要です。売上を見ていると、客が多かったから増えたのか、対応がよくなったから増えたのかが分かりません。転換率なら、来た客のうち何割が買ったかだけを見られます。
参考研究・論点
- ヴィディヤ・マニ、サラヴァナン・ケサヴァン、ジャヤシャンカール・スワミナサン(2015 年発表) ── 米国のアパレル小売チェーン 41 店舗の 1 時間ごとの来店客数・売上・人員データを分析。待ち行列理論にもとづくモデルで店舗ごとの最適人員を算出した。41 店舗すべてで 3 時間のピーク時間帯に構造的な人手不足があり、失われている売上は 6.15%(ピーク 3 時間では 6.33%)、最適な人員計画に従うと利益は 5.74% 改善する。不足は営業時間の 32.88% で発生し 1 時間あたり 3.22 人(最適人員の 31.55%)不足、人員過剰は営業時間の 52.85% で 1.02 人。1 日 10 時間の営業のうち 3 時間に不足が集中し、その 3 時間に 1 日の客の 60% 超が来る。人員過剰を削ると売上 -3.4%・利益 +2.04%
- イリアリア・ペルディカキ、サラヴァナン・ケサヴァン、ジャヤシャンカール・スワミナサン(2012 年発表) ── 米国のアパレル小売のデータで、売上を転換率と買物かご金額に分解して分析。店の売上は来店客数に対して収穫逓減し、人員がその関係を調整する。人員が 1 標準偏差増えると来店客 1 人あたりの限界的な売上が 10.00 ドルから 11.32 ドルへ上がる。来店客数が増えると転換率は下がり、転換率が低いとその後の来店客数の伸びも下がる
- イナ・ルー、アンドレス・ムサレム、マルセロ・オリバレス、アリエル・シルクルート(2013 年発表) ── スーパーの総菜売場で映像認識により待ち行列を計測し POS データと突き合わせた。待ち行列は購買の有無に非線形の影響を与え、客は列の長さをおもに見て列が進む速さを十分に考慮していない。複数の列を 1 本にまとめると客が見る列が長くなり売上が下がりうる。待ちへの感度は価格への感度と負の相関がある
- 数値の扱いについて ── 6.15% と 5.74% は理論上の上限にあたる推定値。いっぽうで著者らは、失った客が競合に移る長期的な影響を含めていないため人手不足についての結果はむしろ保守的だとも述べている。人員過剰の削減については、著者ら自身が長期の顧客満足のデータがないため追加の分析が必要だとしている
まとめ
- 不足しているのは 1 日中ではなく 1 日 10 時間のうち 3 時間
- その 3 時間に、1 日の客の 60% 超が来る
- 41 店舗すべてで、この 3 時間が足りていなかった。1 店舗の例外もない
- 失われている売上は 6.15%、最適な人員計画で 利益 +5.74%
- ただし これは理論上の上限。同時に 長期を含めれば保守的だと著者らは書いている
- 増やす側(利益 +5.74%)は、減らす側(+2.04%・売上 -3.4%)より効く
- 過剰は営業時間の 52.85% で「広く薄く」、不足は 32.88% で「狭く深く」起きている
- だから まず増やすのではなく、寄せる
- 混むと転換率が下がり、転換率が下がるとその後の客数の伸びも鈍る
- 客は列の長さを見て、進む速さを見ていない。 列を 1 本にまとめると逆効果になりうる
- 手順は ①1時間ごとの客数を並べる ②3時間の客の割合を出す ③同じ3時間の人時の割合を出す ④増やさず寄せる ⑤転換率で確かめる
今週できることは 1 つだけです。1 時間ごとの来店客数を 2 週間ぶん並べて、上位 3 時間に来る客の割合と、その 3 時間に置いている人時の割合を、紙に 2 つ書いてみること。その 2 つの数字の差が、いま失っているものの大きさです。
※ 中心となる研究は、米国のアパレル小売チェーン 41 店舗を対象にしたものです。業態も国も異なるため、自店の値を示すものではありません。「6.15%」と「5.74%」は理論上の上限にあたる推定値であり、人を増やせば必ずそれだけ売上や利益が増えるという意味ではありません。いっぽうで著者らは、十分な対応を受けられなかった客が競合に移る長期的な影響を含めていないため、人手不足についての結果はむしろ保守的だとも述べています。人員過剰の削減については、著者ら自身が長期の顧客満足のデータがないため追加の分析が必要だとしており、本記事も閑散時間の人員削減を推奨するものではありません。転換率と来店客数に関する研究、および待ち行列に関する研究については原文の全文を取得できておらず、数値と知見は出版社が登録した論文の要旨で照合しています。金額は米国での分析のためドルのまま示しています。自店では、1 時間ごとの来店客数と人時の割合、そしてピーク時間帯の転換率を記録しながら確かめてください。
よくある質問
人手が足りないと、どれくらい売上を失うのですか?
米国の小売チェーン 41 店舗について、1 時間ごとの来店客数・売上・人員のデータを分析した研究では、人手不足によって失われている売上が 6.15% と推定されました。ピークの 3 時間に限ると 6.33% です。最適な人員計画に従うと利益は 5.74% 改善すると見積もられています。
ただしこの推定は理論上の上限にあたる値です。いっぽうで著者らは、失った客が競合に移る長期的な影響を含めていないため、人手不足についての結果はむしろ保守的だとも書いています。米国のアパレル小売チェーンの研究であり、業態も国も違います。
足りていないのは、どの時間帯ですか?
同じ研究では、1 日 10 時間の営業のうち 3 時間に不足の大半が集中していました。しかもその 3 時間に、1 日の来店客数の 60% 超が来ています。そして 41 店舗すべてで、この 3 時間の人手不足が確認されました。1 店舗の例外もありません。
数字としては、営業時間の 32.88% で不足が起きており、そのとき 1 時間あたり 3.22 人足りない状態でした。これは最適な人員に対して 31.55% の不足にあたります。つまり足りないのは 1 日中ではなく、決まった 3 時間だということです。
閑散時間の人を減らせば、同じくらい利益は増えますか?
同じ研究が両方を比べています。人員過剰を削った場合、利益の改善は 2.04% にとどまり、しかも売上は 3.4% 減りました。いっぽう人手不足を解消した場合の利益改善は 5.74% です。つまり減らす側より増やす側のほうが効きます。
なお同じ研究では、人員過剰は営業時間の 52.85% で起きており、頻度としては不足より多いのですが、1 回あたりの過剰量は 1.02 人と小さいものでした。著者らは、人員過剰の削減については長期の顧客満足のデータがないため追加の分析が必要だと述べています。減らす判断は慎重にしてください。
混んでいる時間は、待たせるだけで済みますか?
済みません。別の研究では、来店客数が増えると転換率そのものが下がることが示されています。転換率とは、来店した客のうち実際に買った客の割合です。つまり混雑は、待たせるだけでなく、せっかく来た客が買わずに帰る割合を増やします。
さらに同じ研究では、転換率が低いと、その後の来店客数の伸びも鈍ることが示されました。今日の混雑が、来月の客数まで削るということです。なお人員を 1 標準偏差増やすと、来店客が 1 人増えるごとの売上が 10.00 ドルから 11.32 ドルへ上がっていました。
レジの列は 1 本にまとめたほうがよいのですか?
慎重に判断してください。スーパーの総菜売場で映像認識により待ち行列を計測し、POS データと突き合わせた研究では、客は列の長さをおもに見ており、列が進む速さを十分に考慮していないことが示されました。
運用としては 1 本の列にまとめるほうが公平で待ち時間も均されます。ところが客から見える列は長くなります。著者らは、複数の列を 1 本にまとめると客が見る列が長くなり、そのために売上が下がる可能性があると指摘しています。まとめるなら、列が短く見える工夫か、進んでいることが分かる工夫をあわせてください。
- ヴィディヤ・マニ、サラヴァナン・ケサヴァン、ジャヤシャンカール・スワミナサン(2015 年発表)「小売店舗における人手不足が売上と収益性に与える影響の推定」 — 米国のアパレル小売チェーン 41 店舗の 1 時間ごとの来店客数・売上・人員データを分析し、待ち行列理論にもとづくモデルで店舗ごとの最適人員を算出した研究。41 店舗すべてで 3 時間のピーク時間帯に構造的な人手不足があり、失われている売上は 6.15%(ピーク 3 時間では 6.33%)、最適な人員計画に従うと利益は 5.74% 改善する。不足は営業時間の 32.88% で発生して 1 時間あたり 3.22 人(最適人員の 31.55%)足りず、人員過剰は営業時間の 52.85% で 1.02 人。1 日 10 時間の営業のうち 3 時間に不足が集中し、その 3 時間に 1 日の客の 60% 超が来る。人員過剰を削ると売上は 3.4% 減り利益は 2.04% 改善する。生産管理研究の国際学術誌
- イリアリア・ペルディカキ、サラヴァナン・ケサヴァン、ジャヤシャンカール・スワミナサン(2012 年発表)「来店客数が小売店舗の売上と転換率に与える影響」 — 米国のアパレル小売のデータで、売上を転換率(取引数 ÷ 来店客数)と買物かご金額(売上 ÷ 取引数)に分解して分析した研究。店の売上は来店客数に対して収穫逓減し、人員がその関係を調整する。平均の水準では 1 時間あたりの来店客数が 1 人増えると売上が 9.97 ドル増え、人員が 1 標準偏差増えるとその限界的な効き目が 10.00 ドルから 11.32 ドルへ上がる。来店客数が増えると転換率は下がり、転換率が低いとその後の来店客数の伸びも下がる。生産・サービス管理の国際学術誌
- イナ・ルー、アンドレス・ムサレム、マルセロ・オリバレス、アリエル・シルクルート(2013 年発表)「待ち行列が客の購買に与える影響の計測」 — スーパーの総菜売場で映像認識により待ち行列を計測し、POS データと突き合わせた研究。待ち行列は購買の有無に非線形の影響を与え、客は列の長さをおもに見ており、列が進む速さを十分に考慮していない。この結果から、複数の列を 1 本にまとめると客が見る列が長くなり、売上が下がりうると指摘されている。また待ちへの感度は客によって異なり、価格への感度と負の相関がある。経営科学の国際学術誌
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